冬空

こんな日の月は

雲に覆われ少し光り

涙が頬を伝う


あたたかい涙で

僕は目を瞑る。


もう何処にもないような

いのちの色


僕は探したって求めたって


僕だけ真面目で

僕は馬鹿を見てる

そんな風に

藍色の波に押し寄せられていた



僕はあの月のまわりの黒い雲を

増やしていたのだ。



強い風が
あたたかい風が

突然僕を
晴らせた。


あの強い風は

僕の理想。

ぼくが見たいあの燃えるような色。


あの強い風は確かに存在していた。

そこにいた。



僕を正す。


強い風。