ひとみは

たとえば、
指をおって数える様な
そんな人生だったら。

僕は空気を沢山吸うのだろう。
今日もいい日だったなんて
毎日思うのだろう。

夜は恐怖にかられ毎日泣くのだ。

僕は沢山の物に触れたいと思うのだろう。

精一杯の出来ることはするのだろう。


僕はそんなことを考えては

今の僕のぐうたらさに
嫌気がさすのだ。

だから背中をのばせと

お説教する。


もっと生き急げ、
もっと出来ることはやれ、

そうやって、
僕は空気を沢山吸う努力をする。


努力が僕を裏切るのなら

僕は何千回何万回だって

努力を繰り返してやる


僕は僕の理想なんて
もっとずっと先で待ってて

僕は僕のことだって
理解できるのか

人生の中で


僕はいまだって
ずっと
指をおって数えるような人生の中を
走っては転び
あのずっと先の僕を
僕がみるまで
ずっと先の僕は
走る姿をただじっと
みつめるばかりだ。