きもち

この前、買いたいものを求めて
田舎の商店街を行き来していました。
どこのお店によっても、
ここにはないよ。でも、あのお店にならあるかもしれない。と言われて
沢山商店街を巡りました。
最後に寄ったお店は、
いかにも古くからあるような、
お店でした。
売ってるものは市販の食べ物で
店内は薄暗く
レジではおばちゃんが電話をしているところでした。
わたしは、失礼なことに
ここの食べ物は賞味期限大丈夫なのか…。なんて思ってしまいました。
わたしは、ここのお店には買いたいものはないだろうと思いはやくお店を出たい気持ちでいました。
電話を終えたおばちゃんは
あかるくいらっしゃいませと言いました。
私がしぶしぶたずねてみると、
欲しいものとは違いましたが
新しくない方のまだもってないものが売っていました。びっくりしました。
その商品を買って帰ろうと思ったらおばちゃんが、
最初、あなた背が高いし外人さんかと思ったの!わたしイングリッシュ苦手だからね〜、日本人でよかった!と言いました。それからおばちゃんの世間話がはじまりました。笑顔が素敵なおばちゃんでした。
前はね、ここの店の前も沢山人が行き交ってたんだよ。でもねぇ、今はお店もどんどんたたんじゃって。なーんにもないでしょう?と言ってきました。
でもわたしは、ここによって良かったとおもえました。最初は汚いお店だななんて思ってしまったけれど、
おばちゃんのあたたかみにふれて、
なんだか懐かしい気持ちになれました。
お店によって、こんなにお話してくれるなんてことなかなかない気がしました。
わたしは、おせんべいも買いました。
おばちゃんは、あらありがとう!これね、美味しいのよ!300円でいいよ!と言って50円安くしてくれました。
おばちゃんは、今度近くの神社で行われる地域活性化のイベントに参加すると言って張り切ってました。
ね!子供達に昔の遊びを教えたりするの!楽しそうでしょう??うちにもね古いポスターあったりしてね!珍しいでしょう?これでお店を飾って
少しでも喜んでもらいたくて!と言っていました。
小さな頑張りは必ず報われると思いました。遠くの場所だけど、
また会いたいと思いました。
もう会うのはもしかしたらこれで最後になるのかと思うと、
涙が出そうになりました。
こんなに一生懸命、街のために頑張ってる人のお店を
わたしは小汚いと思っていました。
そんなこと、おばちゃんは知らないでしょう。
あんなに綺麗なお店を
わからなかったわたしは
どれだけ小さい人間なのか。
でも
帰るまでにわかってよかった。
わたしは、もう二度と
小汚いとは思いません。
どうか、少しでもあのおばちゃんに会う人が増えますように。
おばちゃんの笑顔が
色んな人に届きますように。
そしておばちゃんが楽しみにしているイベントに沢山の子供が訪れますように。
もしも気持ちが伝わったら。